2023.06.06 04:50製造していなくても販売したら侵害?「他社が特許権を持っている商品を販売したいのですが、権利者以外の他社が海外で製造したものを仕入れて(輸入して)販売したいのですが、自社で製造していないから、特許権の侵害にはなりませんよね!?」 このような相談も、結構多いです。例えば、中国の国内で、実際に販売されている商品が目にとまって日本で販売できれば、という経緯なのではないでしょうか。 このようなケースの場合、中国では特許権は取得されていないものの、日本では他社の特許権が存在する、という状況なのかと思います。日本の特許法(内容的には、実用新案法や意匠法でもほぼ同じなのですが)では、侵害行為を「実施」ということで、「実施」の具体的な内容を定義しています。特許法第2条第3項 この法律で発明について「実...
2023.04.21 00:11実用新案って、価値がない?「実用新案は、国の審査が無いから価値がない!」、という人は、正直多いと思います。確かに、独占権によって他人を排除することを目的とするのであれば、実用新案に対する一般的な見方だと、私も思います。しかし、そもそも産業財産権制度の中の特許・実案・意匠)の最大の目的は、他者の排除ではありません。他者を排除することは、法の目的からすると、消極的な効果でしかありません。ちなみに、実用新案法の第1条の目的には 「この法律は、物品の形状、構造又は組合せに係る考案の保護及び利用を図ることにより、その考案を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。」 と記されています。これこそが、正に、実用新案権の存在目的なのです。特に、コロナ禍で企業の商品開発に対する意欲にブ...