2023.09.25 05:11特許の外国出願をしないと、ファンドも振り向いてくれない?(写真のWIPOは、特許の国際出願の事務局です。)「特許の外国出願をしないと、ファンドも振り向いてくれないのですか?」という質問を、最近、技術系のスタートアップの経営者の方々から頻繁に受けます。ソーシャルビジネスを立ち上げようとしている方々からも、時々、質問されます。かなりの部分で、外国への特許出願無しでは、なかなかファンドの目に留まらないと私は思います。 自らの技術を、どう評価するのか、客観的な評価を求める方法として、特許の審査があると捉えるファンドが多いことと、参入障壁の構築や、経営者の知的財産制度の理解度をファンド側が客観的に評価している、とも言えます。他方、特許の国際出願(PCT出願)における、国際調査レポート(審査ではありません特許性等の内容...
2023.09.11 02:16特許って、本当に取らなきゃだめ?「特許って、取らないとダメなんですか?」 そんな質問を、多くの中小企業の社長から受けます。 また、最近は、スタートアップ企業の人からも聞くようになっています。私の答えは、いずれの方に対しても同じ感じです。「特許の出願は必須ではないので、経営判断として決めて下さい。 但し、銀行はともかく、ファンドは特許出願が出資の必須条件にしている場合が多いので、それをどう考えるか次第です。」これで、お気づきかと思いますが、世界的に見れば、技術系の会社で特許出願しないような会社は相手にされない、ということです。「日本国内だけの狭い市場だけで勝負するのだし、融資も不要だ!」という声が聞こえて来そうですが、それも経営判断です。不思議なもので、そう言う経営者に限って...
2023.06.06 04:50製造していなくても販売したら侵害?「他社が特許権を持っている商品を販売したいのですが、権利者以外の他社が海外で製造したものを仕入れて(輸入して)販売したいのですが、自社で製造していないから、特許権の侵害にはなりませんよね!?」 このような相談も、結構多いです。例えば、中国の国内で、実際に販売されている商品が目にとまって日本で販売できれば、という経緯なのではないでしょうか。 このようなケースの場合、中国では特許権は取得されていないものの、日本では他社の特許権が存在する、という状況なのかと思います。日本の特許法(内容的には、実用新案法や意匠法でもほぼ同じなのですが)では、侵害行為を「実施」ということで、「実施」の具体的な内容を定義しています。特許法第2条第3項 この法律で発明について「実...